追悼さくらももこさん 『まる子、お墓参りに行く』はお墓参りの教科書だ!

この生え具合、グッとくるねー

 

こんにちは。とむらいマンです。

『ちびまる子ちゃん』の作者であるさくらももこさんがお亡くなりになりました。

心からご冥福をお祈り申し上げます。

『ちびまる子ちゃん』の面白さは言わずもがなですが、

「そういえば、まる子の家には仏壇がなかったな」と思い、

「ちびまる子ちゃん 仏壇」とか「ちびまる子ちゃん お墓」などで検索してみますと、

334話が『まる子、お墓参りに行く』という回なのですね。

しかもこれが、期間限定で、9月3日までYouTube上で無料公開されている!

みなさん、ぜひ見てみてください。

なぜならば…

 

この話の中には、お墓参りの神髄がこれでもかってくらいに描かれているからです!

 

まさにお墓参りの教科書。では、その面白さ、すばらしさを語っていきます。

 

2:00 

友蔵「ゴミ袋に鎌にたわしにてぬぐい。あとは軍手を持って行けばOKじゃ。」

さすが友蔵!お墓参り慣れしています。

とむらいマンからのアドバイスは、これに歯ブラシ蚊取り線香があればなおのことよいでしょう。

歯ブラシは彫刻部分の中、手が入らないところの汚れを落とします。

あと、夏のお墓はとにかく蚊が多い!

長時間のお墓掃除には蚊取り線香があればありがたいところです。

 

3:07

まる子「暑い時は水分が大切だからね」

友蔵「水分のことに気がつくとは恐れ入ったもんじゃ」

お盆は真夏。炎天下です。

お盆時期のお墓掃除はとにかく水分補給をかかさないようにしましょう。

 

3:17

友蔵「これはまさしく虫除けスプレー」

もうテッパンです。蚊取り線香と虫除けスプレーで鬼に金棒。

もちろん、それでも蚊はやってきます。

ご注意を。

 

4:17

永沢くん「お墓に行くなんて全く気が知れないね」

なんてこと言うんだ!永沢ww

しっかし、この一言に永沢くんの全てが凝縮されているように思う。

ご先祖様を大事にしない人には不幸が舞い込むことの例。

 

5:00

ひろし「結構いい値段するもんだなあ」

そうです。お盆時期のお花はいつも以上に高いんです。

 

6:43

まる子「この生え具合、グっとくるねー」

僕はここのくだりがこの話のハイライトだと思ってます。

この台詞を小学生に語らすなんて、さくらももこ、恐るべしです。

手水場で水を汲んでいる時に、龍神様の頭を支える石かモルタルを指差して、

そこに生えている苔を風流だと味わい深く語るまる子。

すごすぎます!

ちなみに8分37秒で、みんなでお墓掃除をするくだりでも、

「おっ、ここにもいい感じの苔が」と苔を見つけるまる子。

僕は、日本人の死生観と美意識は石と苔に込められていると思ってます。

苔を愛する文化を持つのは世界でも日本人くらいだと言われていますが、

日本人特有の美意識である「わび・さび」の代表こそが、石と苔、なのですよ。

石と苔は、日本の国歌の「君が代」でも歌われていますし、

物理学者で俳人の寺田寅彦もそこに言及しているようです。

俳諧での寂(さび)とは、特に、古いもの、老人などに共通する特徴のことで、寺田寅彦によれば、古いものの内側からにじみ出てくるような、外装などに関係しない美しさのことだという。具体的な例で挙げられるのは、コケの生えた石がある。誰も動かさない石は、日本の風土の中では表面にコケが生え、緑色になる。日本人はこれを、石の内部から出てくるものに見立てた。

出典:Wikipedia『わび・さび』

 

石と苔と日本人については、

このブログの中でも熱く語っていますので、ぜひこちらも!

君が代がすごい! 31字に込められた日本人の美意識と死生観

 

いやはや、さくらももこさん。すごい!

 

 

8:17

まる子「うちのお墓は小さくて地味だねえ」

おばあちゃん「墓も家も、小さい方が掃除が楽でいいんじゃよ」

 

この回はちょいちょいおばあちゃんが素晴らしいです。

そう。大事なのは家やお墓が立派か

地味かではなく、

家の中で暮らす人たちがいかに仲良くやっているか。

お墓の中にいるご先祖様のためにいかにみんなでお墓掃除してあげるか。

…ではないでしょうか?

あのやわらかい声ですべてを受け入れてくれるおばあちゃんこそが、

まさにさくら家のご先祖様を体現してるんじゃねーの?

って思わせるほどの境地っぷりです。

 

8:34

まる子「ご先祖様、涼しいだろうねえ」

ひろしとおじいちゃんが石塔を掃除するシーン。

たわしで磨いているところを見ると、戦前までに建てられた古墓なのでしょう。

叩きか、磨きか。表面がざらついているお墓なはずです。

最近の機械による本磨き仕上げの、表面がつるつるしたお墓の場合、たわしを使うと石を傷つけてしまいます。

タオルやスポンジなど、やわらかいものでよごれを落としましょう。

 

9:20

まる子「やったあ100円だ。でも拾った物は交番に届けなくちゃいけないんだね」

おばあちゃん「そうじゃのお。この100円は交番に届けて、この100円をおばあちゃんがあげよう」

お墓参りしていると、必ずご先祖様がなにかいいご褒美をくれます。

それがお金なのか、何かはさておき。

ちなみに僕のおばあちゃんは、僕が遊びにいくと分かっていたら、必ず仏壇の経机におこづかいを置いてくれていたな。

あれは僕のばあちゃんなりの情操教育だったのだと、いまならよく分かります。

ご先祖様を大事にすると、必ずなにかしらのいいことが起きるんです。

 

11:31

おばあちゃん「お盆に殺生をしてはいけないんじゃよ」

まる子「殺生?」

おばあちゃん「生き物を殺してはいけないということじゃ。お盆には仏様がいろんな生き物に化けてこの世に帰ってくるという言い伝えがあるんじゃよ」

ほんとにこの回はいちいちおばあちゃんが憎い。おばあちゃん回の神回。

ちょいちょいの一言一言がすばらしい!

殺しちゃいけない。

だから蚊取り線香じゃなくて虫除けスプレーだったのか!

そして友蔵のヘアスプレーのオチへとつながっていくww

 

16:25

まる子「きれいになったねー。お花もぴったりだよ」

友蔵「気持ちまですがすがしくなるのお。この気持ちでお参りをしようかのお」

お墓参りとお墓掃除がワンセットであることの大切さが、この台詞に込められてます。

僕は、お墓参りの醍醐味はお墓掃除であると思ってます。

もちろん、掃除の負担は大変で、最近は掃除の手間がかからないお墓が人気ですが(防草マサとかね)、

苦労してお墓掃除した分、心のすがすがしさも比例するというものです。

そして、みんなで笑ったり、愚痴をこぼしたり、喧嘩したりしながらお墓掃除する姿を、

ご先祖様はほほえましく、嬉しく見ているものです。

 

17:26

まる子「何を祈ればいいの?」

おばあちゃん「なんでもいいんじゃよ。まる子の気持ちじゃよ。こんなことをしていますとか報告したらどうじゃ」

 

親が子を受け入れるように、じいちゃんばあちゃんが孫を受け入れるように、ご先祖様は子孫がお墓参りにわざわざ来てくれるだけで喜んでくれます。

お祈りごとは、何でもいいんです。

お願いごとでも、近況報告でも、どんなに下世話でも、崇高でも、

どんな気持ちでも、ご先祖様は受け入れてくれるものです。

 

18:50

まる子「お墓ってさ、夜はすっごく怖いのに、昼間は全然怖くないよね。不思議だよね」

友蔵「ご先祖様が眠っている場所じゃから、怖いことは全然ないんじゃよ」

おばあちゃん「まる子に供養しもらって、ご先祖様も幸せじゃのお」

まる子「供養?」

おばあちゃん「ご先祖様を大切に思う気持ちのことじゃよ」

まる子「あの蝉、ご先祖様かもしれないね」

おばあちゃん「そういう風にまる子が思うこと。これもまた供養じゃ」

 

 

 

もうここのくだりは説明不要。

本当にその通り!

 

19:30

友蔵「さあ。みんなであんみつを食べにいこうか」

まる子「あんみつー。やったー」

お墓参りのあとはみんなで美味しい物を食べにいく。

これもテッパンです。

これをすることで、お墓参りが楽しくなるし、ご先祖様も一緒にあんみつを食べてくれます。

 

 

・・・ということで、みなさんもぜひ『まる子、お墓参りに行く』を見てみてください。

面白くてタメになる上、とにかく奥が深い。

そして、この場をお借りして、国民的漫画家・さくらももこさんのご冥福を改めてお祈り申し上げます。

 

とむらいマン 合掌

 

 

 

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