【墓じまいの費用】お骨の数が増えるとどうなるの?事例をもとに分かりやすく解説

墓じまいをお考えの方。お墓の中に何人の方の遺骨が入ってますか?

「お骨の数が増えるとその分費用がかさむのだろうか?」
「いったい墓じまいにどれくらいの費用がかかるのだろうか?」

このように疑問を持たれているあなたのために、この記事では、墓じまいの費用相場、さらにはお骨の数が費用にどのような影響を与えるのかを分かりやすく解説いたします。

墓じまいでしなければならない5つのこと

ひとことに「墓じまい」と言っても、ただご先祖様のお墓を解体撤去すればいいというものではありません。

墓じまいをするためには、お墓の中にある「お骨」を新しい場所に移して供養しなければなりません。ですから、墓じまいとは、

墓石の解体処分+お骨のお引越し

…の両方をしなければならず、そのためには次の5つのことを行います。

  • 新しいお墓の購入(納骨堂、樹木葬なども含む)
  • 墓地の返還手続き
  • 改葬許可申請
  • 墓石の魂抜き
  • 墓じまい工事

そして、これら5つの事柄に費用がかかるのです。

次の章では、墓じまいの費用相場を、これら5つの事柄を細かく検証しながら解説していきます。

※墓じまいでしなければならない5つのことを動画で知りたい方は、こちらのYouTube動画をご覧ください。

【墓じまい】 墓じまいでしなければならない5つのこと(第4回)

墓じまいの費用相場は113万円!(目安)

墓じまいをするためには、どれくらいの費用を用意しなければならないか分からないものですよね。
まず基本的なこととして、さきほど挙げた5つの事柄をしなければならず、
それぞれに費用がかかるということを押さえておきましょう。
そしてそれら5つを合計した費用相場は…

113万円

…くらいではないかと思われます。
もちろんこれは、単純計算で積み上げた一般的な目安です。
安く済ませることもできますし、さらに高い費用が必要となることもあるでしょう。
しかしいずれにせよ、100万円近くの費用は必要だ、ということは認識しておきましょう。

「一体、どこから113万円という数字が来るんだよ!?」

このように疑問を想う方も少なくないですよね。
まずはこちらの表を見て下さい。

項目種類費用相場間をとって…
①新しいお墓の購入費墓石200万円~300万円70万円
納骨堂50万円~100万円
樹木葬50万円~100万円
永代供養(合祀)3万円~30万円
散骨5万円~30万円
②墓地の返還手続きにかかる費用0円0円
③改葬許可申請にかかる費用0円0円
④墓石の魂抜きのお布施1~5万円3万円
⑤墓じまい工事費用30~50万円40万円
合計113万円

…といった具合に、業界全体の相場と、筆者自身が毎日働く中で得る肌感を頼りに、かなりざっくりと単純計算で金額を算出しています。

というのも、墓じまいは、個別の見積もりによって大きく金額が変動する性格が強いのが特徴です。

だからこそ、「墓じまいにいくらかかるのか、見当がつかない」という方に、

まずは100万円くらいはかかると思っていたほうが良いことをお伝えしたかったのです。

5つの項目のそれぞれの費用の根拠を、具体的に明示していきます。

①新しいお墓の購入費 目安は70万円

新しいお墓とは、お骨の引っ越し先のこと。新たに墓石を建てようと、樹木葬や納骨堂にしようと、永代供養や散骨にしようと、これらはすべてここに含まれます。そのため、費用に大きな開きがあるのが特徴です。

永代供養といった費用を抑えた方法だと、3万円くらいから受け付けてくれるお寺は実際にあります。

また逆に、墓石を建てたいのであれば、墓地と墓石で2~300万円くらいの費用がかかります。ただ最近は、コンパクトで安い墓石も急増中で、100万円を下回るお墓も見られます。

そして昨今人気の納骨堂や樹木葬。これらの費用相場は50万円~100万円。

ということで、その間をとって70万円という金額が出たのです。

あなたがどういった形のお墓を選ぶのかによって、費用はこれよりも安くも高くもなる、ということです。

②墓地の返還にかかる手続きは0円。ただし…

更地になって使用しなくなった墓地は、墓地の管理者(窓口は霊園の管理事務所やお寺の住職)に返還します。

墓地の返還に伴う費用負担は、基本的にはありません。

ただし、お寺の境内地にお墓がある場合で、墓じまいにともなって離檀(りだん:お寺との檀家関係を解消すること)が伴う場合は「離檀料」を納めなければならないことがあります。

これまでご先祖様を供養してもらったことへの感謝を込めたお布施のようなものです。

離檀料の有無については、お坊さんによっても意見が分かれます。実際に筆者の知り合いのお坊さんの何人もの方が、

「うちは離檀料なんて受け取らないよ」

「お布施は、納める方が自分の気持ちに沿って行うもの。こちらから要求しない」

…と言ってました。

一方で、週刊誌やネットニュースなどでは

「法外な金額の離檀料を請求された」

…という報道も見られ、ここはお寺によってかなりスタンスが異なるようです。

ですから、費用相場なんてあってないようなものなのですが、しいて言うならば、5万円~20万円といったところでしょう。

③改葬許可申請にかかる費用は0円。ただし…

お骨の引っ越しのことを「改葬」と呼びます。

そして、改葬をする時には、改葬元の自治体から「改葬許可」を得なければならず、施主はその申請をします。

申請にかかる費用は、基本的には0円です。遺骨分の戸籍などの書類を集めるのに、数百円程度は必要になるかもしれません。

ただし、自分で役所などに足を運ぶのではなく、もろもろの煩雑な手続きを行政書士に依頼したい場合は、手続き代行に対しての報酬が発生します。

費用相場は5万円~15万円くらいでしょう。

④魂抜きのお布施 3万円

お布施の相場は1万円~5万円で、間をとって3万円とします。

ただし、お布施とはそもそも定価がなく、自身の感謝の気持ちを形に替えて僧侶に差し出すものです。

加えて地域性があったり、僧侶の方から金額を提示されることもあります。

いくら包めばいいか分からない場合は、直接僧侶に相談しましょう。

⑤墓じまい工事費用 40万円

石材店による墓じまい工事(墓石の撤去処分、墓地の整地化)は30万円~50万円程度。

ここでは間をとって40万円としておきます。

しかし、墓じまい工事は、墓石の数や大きさ、墓地の面積など、現場によって状況が大きく異なるため、まずは石材店に見積もりをしてもらいましょう。

筆者の経験でも、10万円程度の墓じまいもあれば、100万円を超える墓じまいのお手伝いをしたことがあります。

※墓じまいの費用相場が113万円(目安)である理由を動画で知りたい方は、こちらのYouTube動画をご覧ください。

【墓じまい】どれくらいの費用がかかるのか、どこよりも分かりやすく徹底解説します!(第6回)

お骨の数によって墓じまいの費用が左右されるもの

墓じまいの費用は、お骨の数によって違いが出てくるのでしょうか。

私のYouTube動画を見て下さった方から、

「お骨が7柱ある場合、費用も7倍になるのですか?」

というコメントをいただきました。

決してそんなことはなく、お骨の数に左右されるものとされないものがあります。

  • 新しいお墓の購入→お墓のタイプによる
  • 墓地の返還手続き→お骨の数に左右されない
  • 改葬許可申請→追加料金が発生
  • 墓石の魂抜き→お骨の数に左右されない
  • 墓じまい工事→お骨の数に左右されない

具体的に見ていきましょう。

①新しいお墓の購入費 お墓のタイプによる

新しいお墓のタイプによって、お骨の数が費用に影響を及ぼすことがあります。

たとえば一般的な墓石の場合「ひとつのお墓にみんなのお骨を納める」のが基本です。

ですから、お骨が増えたからと言って、建立費が高くなる、ということはありません。

しかし、納骨堂や樹木葬の場合は、お骨の数が費用を左右します。

一人用、二人用、複数人用と、納められるお骨の数によって、料金に差をつけています。

引用元:「かろうと東京」(港区三田の納骨堂)

また、2人目以降の納骨の場合は追加料金を納めるシステムのところもあります。

納骨堂や樹木葬の場合、お骨の数が多いと、その分費用が掛かってしまうということを念頭に入れておきましょう。

②墓地の返還にかかる費用

墓地の返還はにはそもそも費用がかかりません。

離檀料を包む場合も、包む側の「お気持ち」に委ねられるため、お骨の数が増えたからその分多くのお金を納めなければならないわけではありません。

③改葬許可申請にかかる費用

改葬許可申請を自分で行う場合は、そもそも費用が掛かりません。

ただし、行政書士に代行依頼する場合は報酬を支払わなければならず、遺骨の数によって追加料金が生じます。

追加料金の相場は1対につき5千円~1万円。

中にはお骨の数に関係なく、基本料金で改葬許可の代行をしてくれるところもあるようです。

④魂抜きのお布施

お布施は「お気持ち」ですから、お骨の数が増えたからその分多くのお金を納めなければならないわけではありません。

⑤墓じまい工事費用

お骨の数が増えたからといって、石材店の作業工数が増えるわけではありません。

※お骨の数と墓じまいの費用について動画で知りたい方は、こちらのYouTube動画をご覧ください。

【墓じまい】お骨の数が増えると費用も変わるのか。事例をもとに分かりやすく解説(第15回)

【事例解説】7人分のお骨がある場合、墓じまいの費用はどうなる⁉

ここまでお骨の数と墓じまいの費用について解説してきました。

ではこの内容をとある事例にあてはめて考えてみましょう。

私のYouTube動画にこんなコメントを下さった方がいます。

この内容を整理すると、

  • お寺の境内のお墓を墓じまいしたい
  • お墓の中にお骨が7柱ある
  • 改葬先は納骨堂で、永代供養をしてもらいたい

…ということになります。

この方の単純計算でいくと、450万円もの費用がかかるように思われますが、実際にはこのような感じではないでしょうか。

①は、先ほど引用させていただいた「かろうと東京」様のプレミアムプランを利用した場合

②は、お寺との檀家関係が解消され、離檀料を10万円納めた場合

③は、行政書士への報酬+6体分の追加料金を含めた場合(「アイビー行政書士事務所」様(埼玉県日高市)の料金表を参考にしました)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

墓じまいをする上で特に単価が大きいのが、①の新しいお墓の購入費と、⑤の既存のお墓の墓じまいです。

そして、お骨の数によって費用が左右されるのが、①の新しいお墓の購入費、左右される可能性があるのが③の改葬許可申請にかかる費用です。

墓じまいの費用は、その人、そのおうちによって大きく異なりますので、まずはお近くの専門家にまでご相談することをおすすめいたします。

 

 

 

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