志とは、
おのれ1代では成し遂げ得ぬほどの素晴らしき何かを、
次の世代に託す祈り、だと思っています。
こんにちは。とむらいマンです。
実はこう見ても(どう見えてる?)『GLOBIS』(以下:グロービズ)なんて、よくよくチェックしているとむらいマンです。
時間がないぼくは、移動中によくYouTubeの『GLOBIS知見録』をチェックしてます。
その中でも、2017年12月17日に公開の
「田坂広志が説く!リーダーが持つべき「死生観」「覚悟」とは?」
…が、あまりにもすばらしかったので、
今日はここに綴らせてもらいます。
上昇志向の猛者たちの中で、死生観を見つめる田坂さんのすごみ
グロービズで語られる多くは、ビジネス、経営、政治、地方自治、リーダー論、マーケティング、イノベーション、テクノロジー、スポーツ、文化、芸術などなど。
最近人気のワードは「AI」「IoT」「ビッグデータ」「ダイバーシティ」などなど。
とにかく向上心の強い、大いなる野望を持った人たちばかりがトークセッションを繰り広げるわけです。
さまざまなジャンルにおける次代の日本のリーダーがここに集っているわけですね。
死ぬこと、弔うことばかり考えているとむらいマンからすれば、全然ついていけない内容も多々あるのですが、
しかしとても刺激的で、勉強になる、面白くかつ、ためになるコンテンツなのです。
ただですね、、、
ここに集まっている人たちはみんな…
意識高い系
なわけです。
左から、為末大、小泉進次郎、南場智子、茂木健一郎…みんなゴリゴリです。
みんなガンガン人生を謳歌して、身を削って、ゴリゴリのし上がっていく。
まあ、リーダーになろうとしている人たちですからね。当然ちゃ当然ですが。
そうすると、語られるのは上昇志向を目指すものであり、付加価値。
どう生きるか。どう稼ぐか。どう大きくなるか。どう成長するか。
そこで、僕は、この猛者たちにこう疑問に思うわけです。
彼らは、死を、弔いを、
どう考えているのだろうか
まあみんな、そんなこと語りません。
だって、死や弔いはどちらかというと下降目線な事柄じゃないですか。
「世の中を面白く!」
「成長戦略!」
こうした響きとは真逆にあるのが、死の文化であり、弔いの文化のですよ。
ところが…
グロービズの中で、僕が見ている中ではひとりだけ、
堂々と死を(厳密には「死生観」を)語る人を見つけました。
田坂広志さんです!
ぼく、正直存じ上げませんでした。
こういう方です。↓↓↓
田坂 広志(たさか ひろし、1951年 – )は、多摩大学大学院教授。専門は社会起業家論。 工学博士(原子力工学)、シンクタンク・ソフィアバンク代表、社会起業家フォーラム代表、社会起業大学名誉学長。元内閣官房参与。引用元:Wikipedia「田坂広志』
んで、田坂さんのこの講演がいいんだな。つまり…
よりよく生きるためには、死生観を強く持つこと!
これに尽きます。
30代のビジネスパーソン。そして次世代のリーダーを目指す者たち!
さあ、死生観を持って行こうじゃないか!
以下、動画内の田坂さんの言葉を引用していきます。
(※末尾の数字は、YouTube内の時間です)
田坂広志さんの動画の中の言葉を引用
たった1つでいいから、リーダーがどのような覚悟を定めるべきかと言えと言われれば、もう躊躇ないですね。リーダーが定めるべき覚悟。死生観。
3:03
のっけから、こう言いきって講演が始まる。
もう、めまいがしますよね。くらくら。
田坂さんの講演は常に緊張感が走っていて、それは死を見据えて生きている者の目で、ここから45分、ひたすら死生観を持つことの大切さだけを語るのですが、あっという間に時間が経過する。冷静さの中に込められた熱量がすごい!
↑↑↑こう反論する人って、たくさんいるみたいです。
そこは田坂さんは、こう答えるんです。
戦争も、大病も、投獄の経験ができなくても、
3つの真実を直視すれば、どんな時代にでも死生観は定まるのだと説いています。
人は必ず死ぬ。
人生は一回しかない。
人はいつ死ぬか分からない。
これを身体で感じたならば、与えられたこの命がとても貴重なものに思えてしまう。
こうして、言動や行動のひとつひとつが研ぎすまされていき、輝きが増していくのだと思うのです。
しっかし! 死を見つめるという行為は、とても辛く苦しいことです。
田坂さんはそのことも、もちろん見越して、こう言います。
人類の文化のすべては、死を忘れるためにある11:10
深いなー。
文明開化、高度テクノロジーは、そんだけ死を遠ざけるってことやね。
いまの世の中、死を直視できる場所って、ないですもん。
世の中全体が、そういう社会になっている。
これが現代に生きる僕たちの総意であるならば、僕たちはあまりにも欲望に流され過ぎww
でも、人は必ず死ぬのだし、人生は一回しかないのだし、人はいつ死ぬか分からないんです。
だからこそ、ラテン語の「メメント・モリ」という言葉が響いてくる。
「死を想え」という意味です。
どうして死生観を掴んだ人は、よい生き様を残すのか
さて、田坂さんは、「死生観を掴んだ人物は、よき生き様を残す。」
と語っていますが、どうしてなのでしょうか。
その3つの理由を説明してくれます。
1.時間の密度が全く違うものになる
時間の密度が全く違ってくる18:55
余命あと一ヶ月と言われた人は例外なく1日1日を大事に過ごします。
田坂さんはスティーブ・ジョブスのスタンフォード大学でのあの有名なスピーチを引用します。
また、仏教者の紀野一義は若い頃の自分を振り返って、こう語ったそうです。
人生の最後を見据えることで、いまを生きる集中力が強まる。
時間の密度が、凝縮されるんですね。
それは、1分1秒の価値がグッと高まることを意味します。
2.逆境をポジティブに解釈できる
逆境観。逆境力30:13
死生観を掴むと、逆境に耐える力、それを乗り越える力が全く違ってくると田坂さんは説きます。
どんな逆境、ピンチが訪れても、「命をとられるほどではない」と開き直れるのだそうですね。
これは、その逆境をどう受けとめるかということに関わってきます。
自分に襲いかかってくる試練を成長の糧と思い込めるか。
この逆境をどう解釈するか。
よく、「ピンチはチャンスだ」と言いますが、まさにそれ。
死生観を持つと、マイナスをプラスに、ネガティブをポジティブに、逆境を成長の糧にできます。
それこそは、自分自身の解釈次第。
その「解釈力」こそが養われます。
3.使命感を抱ける
3・使命感37:36
「使命」とは、命を使うと書く。と、田坂さんは言います。
死生観を持つと、命をかけて仕事ができるのです。
金儲けのためだけでない、使命感に燃える仕事をすれば、同じことを考えている者同士が集まり、大きな力となって、世の中を変えていく。
使命感ってのは、とっても大きなエネルギーなのですね。
次世代への祈りこそが、死生観の根幹あることを射抜いている!
んー。すごい。
お腹いっぱい。
ところがですね。まだ終わらない。
最後の最後。
僕は最後にこの言葉を聞いた時に、鳥肌が立ちました。
志とは、次の世代に託す祈り。
志って、祈りなんですって。
しかも、次世代に託す。
すごくないですか!この言葉!
(ん? 分かってもらえてない?)
現代の多くの実業家や起業家は、現世利益ばかりを追い求めているのですよ。
「世の中をよくする」という考えが、現世にとどまっている。
つまり、時間軸を自分が生まれるから死ぬまでの間、でしか考えられていない。
これは、近現代というのがそもそも「個人主義」の時代ですから、仕方がないのですが、
しかし、田坂さんのこの言葉には、個人の小ささ、人間の卑小さへの自覚、みたいなものが感じられますよね。
「おのれ1代では成し遂げ得ぬほどの素晴らしき何か」
このように言葉にできるということは、所詮ひとりの人間では成し遂げられない大きなものがある、その大いなるものに対しての畏怖というか、畏敬がある。
だからこそ、世代を超えて取り組まなければならないし、世代を超えるコミュニケーションとして、祈りという営みが必要不可欠なのだと、説く。
とむらいマン的にも、すごいっす!
分かってもらえたかなー。ビジネスパーソンたち。次世代のリーダーたち。
死生観を持つことの大切さを。意義深さを。
30代よ、死を語ろうぜ。
僕は前世と現世と来世をいったりきたりしながら、
毎日ここでブログを書き続けるよ。
現世利益を追い求めてたっていいじゃないか。
夢に、仕事に、邁進したらいいと思う。
んで、たまに飽きたら疲れたら、
ここに立ち寄ってくれたら、幸いです。
僕はずっとここにいます。
死生観を携えて。
※ちなみに、動画内で田坂さんが挙げられていた、死生観ホルダーたち。
中内功、小松康、稲森和夫、堤清二、瀬島龍三、スティーブ・ジョブス、紀野一義、山中鹿介
では、また〜
とむらいマン
コメント