七夕伝承と妙見信仰。星田妙見宮の取材をふりかえる

素心『こころね』にて、星田妙見宮の取材記事を公開しました。

空から星が降ってきた神仏習合の神社-大阪・星田妙見宮をたずねて(前編) | 姫路・加古川の仏壇・仏具、墓石、寺院施工|素心
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大阪府交野市の星田妙見宮。関西地方の人気パワースポットです。妙見信仰に加えて七夕伝説が有名で、毎年の七夕祭にはたくさんの短冊が境内を美しく彩ります。

しかし、例年どおり、今年も雨(いまこれを書いているのが7月7日の朝5時半。姫路はざんざん降りです)。加えて新型コロナウイルスもあり、一般参拝は中止とのこと。とっても残念です。

妙見さんとは、北極星を神格化した尊格。あらゆる星が一年を通して位置を少しずつ変えながら運行しているのに対し、北極星は微動だにせずビタっとそこにいる。かつての人々は星の位置で時間や場所を図っていたと言います。船を出すのも昼ではなく夜で、星を見ながら舳先の方角を決めていたのだそうです。

そんな中で、北極星は天体観測の基準点であり、他の星々が北極星を中心に運行していることから、中国では「天帝」と呼ばれるほどに、信仰を集めました。

仏教では「妙見菩薩」。
神道では「天之御中主大神あめのみなかぬしのおおかみ」。
陰陽道では「鎮宅霊符神ちんたくれいふしん」。

宗教を変えても北極星は信仰の対象となっている、ということですね。『古事記』でも、アマテラス(太陽)やツクヨミ(月)よりも先に出てくるのが天之御中主大神。すべての始まりに北極星あり、ということです。

七夕祭の様子(画像は星田妙見宮様のご提供)

あとですね。記事の後半では佐々木宮司親子のインタビューを取り上げたのですが、もう本当にすてきな人柄で。いい気の流れる場所というのは、そこに携わる人たちの想いが反映されているのだなあと、つくづく感じました。

40年かけて神社を再興した佐々木宮司の熱意には感銘すら覚えましたが、だからといって今現在も神社が安泰というわけではないと話されていました。

広い境内を維持するには大変な労力が要り、息子の悠介さんは毎日草刈り機を片手に雑草を刈り取り、台風で崩れた斜面を土嚢で積み上げる日々。そんな合間に祈祷希望の人が来られたら、何百段とある階段を駆け上がって、祈祷を行うという、超ハードワーク。「仕事の大半は土方」ですよと、笑いながら話してたなあ。

それでも、親子揃って「このすばらしい神社を守り、多くの人に妙見さまの教えを知ってほしい」と明るい笑顔で語るのです。

宮司の佐々木久裕さん(右)と、長男の佐々木悠介さん(左) 

すがすがしい空気と、霊験あらたかな磐座信仰。そして素敵な人柄の宮司さん親子。とても素敵な記事が書けました。みなさんもぜひ、星田妙見宮に足を運んでみてください。

今年も七夕は雨ですが、雲の上では、織姫様と彦星様は逢瀬を交わしているはずです。


※アイキャッチ画像も、星田妙見宮さまよりご提供いただいたものです。

▶星田妙見宮HPはこちらから

▶︎佐々木宮司による七夕解説。なぜ年に一回なのか、なぜ織姫は幡を織っているのか、なぜお盆の精霊棚は7月7日に飾るのかなど、神話と、天文学と、宗教学をまぜこんだ七夕講義。宮司の見識の深さに脱帽です。興味ある方はこちらから。

▶︎仏壇墓石の素心のWebマガジン「こころね」はこちらから。玉川責任編集。

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