何言っているか聞き取れないけれど、お経の力はすごいんダ!

普段はなに言ってるか分からないお坊さんのお経。

大事な人に向けられると、

とてもありがたいもののように思えるんです。

 

こんにちは。とむらいマンです。

今日はお坊さんのお経の力についてお話しします。

 

何言ってるか分からないお坊さんのお経

 

お坊さんのお経って、ぶっちゃけ・・・

 

何言ってんのか、分かんねえ!

 

…じゃないですか!

法事とかでは、もにょもにょ言っているあのお経を、

ぼーっと聞くわけです。

数珠をいじったり、足のしびれを気にしたり、女の人のうしろ髪にうっとりしたり…。

でもね。

とむらいは、この何言ってるか分からないお経は、

 

何言ってるか分からないからこそいい

 

…のだと思います。

 

考えるな 感じろ!

 

ブルース・リーの名言です。1973年『燃えよドラゴン』より

 

 

 

 

 

 

 

物事なんでも、「考える」と「感じる」が大事なわけですね。

お経の文字も字で追って、意味を理解することも大事なのですが、

神仏や、あの世を感じることも、また大事なのです。

わたしは、仏教経典を字義的に追及したことがほとんどないので、

このへん、テキトーでごめんなさい、よくわからないのですが

天台宗の言うところの顕密(けんみつ)というのは、まさにそういうことなんじゃないでしょうか。

「顕」は考える。「密」は感じる。

なんかよく分からないお経の言葉は、感じれれば、まずはそれでオッケーなのです。

 

 

 

愛する母に向けられたお経は、何よりも身に沁みて涙となった

 

とむらいは、若い時に母を亡くしているのですが、

お通夜の時に若い和尚さんがやってきて、お経を読むんですね。

頭を丸めて、法衣を羽織り、とても誠実そうな青年なわけです(とは言っても私よりは5歳くらい上かな)。

鏧子(けいす)と呼ばれる大きなおりんを叩いて、

「ゴオオオオオオン」と場内に厳かな音が響き渡り、

低い、低い声で、これまたおごそかなお経を始めるわけです。

その低さはまるで地を這うようで、

土から顔を出す草木、その草場に隠れる虫たち、

それらを下支えする大地という大地の土に向かって読み上げる目覚めの言葉のようだったのです。

「これから、この亡き人を供養し、まもなく埋葬し、大地に還します。大自然の土や草木や動物たちよ。どうかこの亡者を受け入れて下さい」

…的な。そういうものを感じたのです(これ勝手に私の解釈で、お経の中で何を読まれているかは知らないですよ)。

そして、ぽくぽくと、木魚を叩きながらお経が独特のリズムと抑揚で繰り出される。

きっと、いつも聞いているお経と内容はそんなに変わらないのだと思うのですが、

母との死別の悲しみもあって、

このお経が、めちゃめちゃ身に沁みたのです。

そして、沁みたものはボロボロ涙になって外に出たのです。

 

80年生きる人間の命、1000年続くお寺が供養する

 

人間どんなにがんばっても80年とか100年くらいしか生きられないのです。

それをですね、50年とか30年程度しか生きていない者が供養するたって、

そりゃ無理な話なんですよ。

そこで、供養の専門家として、お坊さんがいる。

目の前の若僧はたかだが30歳くらいかもしれませんが、

彼の背中には1000年続くお寺の伝統がある。

伝統ってのは、人々の智慧の蓄積ですから、なかなかすごいものがあります。

彼のお経は、

どの時代、どの地域でも、

同じようなリズムで、同じような抑揚で、

さまざまなお坊さんがさまざまな死者に向かって読んでいたのだなと思うと、

亡くなった母が大きなものに包まれていくさまを感じたのですね。

 

お経は、あの世とこの世をつなぐ言葉

 

あとですね、

お経って、あの世とこの世をつなぐ言葉なんですね。

だから、ある意味私たちで分かる言葉じゃダメなんです。

あの世という得体の知れない世界の人々と話ができるお坊さんだからこそ、

ありがたみを感じるんですよ。

英語喋れない人が、英語ペラペラな人見たら、

オオ! ってなりますやん。アレです。

だから、何言ってるか分からないくらいの方がいいんです、きっと。

 

お坊さんへのお願い 最後に翻訳してください

 

ただ、絶対に必要なのは、

最後にお坊さんが分かりやすい言葉で翻訳してあげることですね。

法事とか葬儀とかが終わって、

「いやはや、みなさんお疲れ様でございました。いま上げたお経はですね…」

という具合に、参列者がほうほうなるほどと理解できるようにしてあげないと、消化不良を起こしますんでね。

とむらい、何百というお坊さんを見て来てますが、

ここが上手いお坊さん、下手なお坊さんは、正直あります。

でも、真心こめて、死者の安寧を願い、死後観を語れば、

参列者だって、じーーんと身に沁みるものです。

今日は長くなったな。

では☆

 

とむらいマン

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